ねこまっくの日誌

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<<   作成日時 : 2008/06/09 22:15   >>

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行ってみようか、と車を向けたのは
知る人ぞ知る県南の喫茶店『大菩薩峠』。
何年ぶりになるかしら?

タケノコ山を背に立つ赤煉瓦の館。
見事なまでにツタに覆われて、山の緑と一体化している。
(写真はほんの一部)

画像


マスターが、映画『大菩薩峠』にインスピレーションを得て、
自分でレンガを焼いて、ひとつずつ積んで建てたという館。
店内のテーブルやインテリア、内装もすべてマスターの手作り。
私の知る限り、20年くらい前にはもうお店があり、
でも、今もレンガを積み続けていて、行くたびに通路や離れが増築されている。

もっとも、私は小説「大菩薩峠」を読んだことないので、
どんなインスピレーションが降りてきて、こうなったのか、さっぱりわからない。
でも独特の雰囲気のある喫茶店。

レンガの通路をくぐって中へ。

画像


自家製の米や野菜をつかった定食を食べ、
たぶんマスター作の陶器でコーヒーを飲み、
ゆったりと過ごした。

レンガに縁取られた丸窓から
雨にけぶる田園風景を眺めて、
『ここは変わらないな』と思った。

・・・・いや・・・・?
ふとなにかひっかかって、傍らの壁を見た。
耐震対策だろうか、張り替え工事中だった。

・・・そして、思い出した。
25歳の私を。


あの日も雨だった、気がする。
二人でこの席に座った。
私はエビピラフを注文し、
向かいに座ったそのひとはたしか焼き肉定食を注文した。
「ピラフ、好きなん? よく注文しよるよな」
「うん」
そんな会話をした。

会話がとぎれて、傍らの壁を見たら、おびただしい量の落書き。
相合い傘や、イニシャルやイラストや日付。
県外でもけっこう有名なこの店に来た記念に
みんなが書いて帰るんだろう。歌手やタレントのサインも混じっていた。

話したいことがあったけど、
私はそれを言うことができなくて
傍らの壁に落書きをした。

私はなんて書いたっけ?
そのひとはなんて言ったっけ?

あの日の空の色や湿気、温度は思い出すのに
なんて書いたか思い出せない。

いや、自分がそんなことをした、ということさえ忘れていた。

どうして忘れてしまっていたのだろう。

画像


幸せな思い出は、ざらついた思い出よりも
きっと早く時にさらわれていく。

あの日の雨上がりの夕焼けの色まで
鮮やかに蘇ってきたのに
壁に書いた言葉が思い出せない。

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コメント(16件)

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ホホー、意外な一面を発見・・。
若い頃の「俵万智の世界」を彷彿とさせますね・・、一首、ご披露いただくと、尚いいのですけども・・。
人生ゆっくり
2008/06/10 04:05
>幸せな思い出は、ざらついた思い出よりも
きっと早く時にさらわれていく。

さすがにタウン誌の編集者
いい表現してますね。

「きっと早く時にさらわれていく」

こんな表現したいなあ\^o^/
風の旅人
2008/06/10 10:48
>幸せな思い出は、ざらついた思い出よりも
 きっと早く時にさらわれていく。

私もこのフレーズに惹かれました。
これって、本当のことかもしれません。
私の経験でも..。

>話したいことがあったけど、
 私はそれを言うことができなくて

いまのねこまっくさんなら、言ってしまったのでは?
カンツォーネ
2008/06/10 20:19
人生ゆっくりさん♪
一首ですか・・・一酒ならたやすいのですが(笑)
ちょっと気分で書いてみました。
最近いろんなことをよく忘れるからなあ・・・
ねこまっく
2008/06/11 12:06
風の旅人さん♪
“風化”といいますが、
思い出も、繰り返し繰り返し反芻していないと
うすれ、わすれていってしまうのですね。
忘れるつもりなんてなかったのに、いつの間にか忘れていました。
25歳だった頃に置き忘れてきたような気がして
「時に・・・」という言い方をしてみました。
ねこまっく
2008/06/11 12:09
カンツォーネさん♪
イヤなことより、幸せな思い出をたくさん残していきたいですよね。
自分のなかにも、他人のなかにも。
今回、そんなことを思いました。

>いまのねこまっくさんなら・・・
>>ハイ、もちろんですね!
ねこまっく
2008/06/11 12:11
ざらついた思い出かぁ・・・。
唸りました。(^_^;)
Papalin
2008/06/14 21:32
ねこまっくさんが阿蘇にいらっしゃったのかと思いました。
まだ(と言うと失礼ですが)お店やっていたんですね。昨年に前を通った時は、営業中かどうか分かりませんでした。ちょうどお休みか、準備中だったのでしょう。僕も2回だけ行きましたが、少し慎重になって入ったような覚えがあります。あと、椅子と机がアンバランスな大きさだった?ように思いますが忘れちゃいました。
それにしても、人の記憶・感覚というものは不思議ですね。
ブン太郎
大菩薩峠
2008/06/15 12:51
Papalinさん♪
うなりましたか(笑)
ざらついた思い出も、時間がうまく処理してくれて
だんだんとすべらかな思い出になって・・・そして忘れていくようです。
これも、人間の自衛本能ですかね。
ねこまっく
2008/06/16 00:30
ブン太郎さん♪
ギョッ!です。誰にみつかったかと思いました(汗)
大菩薩峠は阿蘇なんですか? 小説も映画も知らないのです。
歴史小説のように記憶してるんですが、だから、この喫茶店とどうむすびつくのかサッパリです。
お店は、行くたびにどこか増築されてたり、イスが変わってたりします。
あまり商売する気はないらしい(笑)
ゆる〜い感じがいいですね。
ねこまっく
2008/06/16 00:33
らくに川をさかのぼれる鮎はいないのに、切
ない時をさかのぼろうとしたねこまっくさん。
ただ、目で見た記憶は悲しいけど曖昧ですね。
レンガの壁を歩きながら触れた手触り…
どこからか運ばれて来た風の匂い…。 若鮎
も生まれた川の匂いを記憶して、それをたより
に川をさかのぼります。
ひ弱そうに見える若鮎も実は逞しく前へ前へ
のぼり大人になります。今回の記事を読んで…
あの日より魅力的な大人になってると思います。
海のはなし
2008/06/16 08:39
すみません、大菩薩峠は山梨県の方でした。僕は阿蘇の大観峰と間違っていました。今さら我ながら「全然違いますねぇ」。失礼しました。
ブン太郎
2008/06/16 12:48
大菩薩峠と言えば机竜之介ですよね!(ちがった?)
写真で見る限り、この建物のどこが、どう大菩薩峠と結びつくのか・・?
徳島にも、いろんな方がおられるのですね。どこにでも変わった(失礼)方がおられるのは当たり前ですけど、なんか不思議。山梨県ならわかるけど。
ぴあの
2008/06/16 21:45
海のはなしさん♪
あの・・・???・・・べつに悲しい話じゃないんですが。
トシを感じたってだけで(笑)
人間の記憶なんて、自分の都合いいように切ったり貼ったりしてつくりかえてるんでしょうね。
ねこまっく
2008/06/19 00:01
ブン太郎さん♪
山梨の大菩薩峠も、阿蘇の大観峰も知らないねこまっくです。
このお店は、聞くところによると、後ろのタケノコ山がその大菩薩峠とやらに似てるとか、タケノコ山を大菩薩峠にしようとマスターが決めたとか、なんかそんな話らしいです。
うーん、どちらにしてもわかんない(笑)
ねこまっく
2008/06/19 00:03
ぴあのさん♪
上のコメントも書きましたが、どうやらそういう理由らしいです。
風変わりな店です。ツタにおおわれて、ろくな表示もしていないので
知らない人が見たら廃墟にしか見えないと思います。
でも、〔知る人ぞ知る〕みたいな、けっこう全国的に知られているようです。
ねこまっく
2008/06/19 00:05

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