ねこまっくの日誌

アクセスカウンタ

zoom RSS お蔵出し 「水崎めぐり その2」

<<   作成日時 : 2006/11/10 21:56   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 14

《前回までのあらすじ》・・・台風で増水した那賀川へ、ゴムボートを漕ぎ出したパーティー。なんとか小さな瀬はくぐり抜け、お気楽ムードが漂い始めた船上であったが・・・。

 ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※

 小計(こばかり)を抜け水崎(みさき)へ。ここまではまずまずだったのだ。スリルと、それと隣合わせのワクワクドキドキを適度に味わいながらの快調なすべり出しだったのだ。逆に言えば“それが”いけなかったのだ。自然の恐ろしさを知っているはずの隊長までもが「まぁこの調子なら・・・」と自然をなめてかかってしまったのだ。

 「瀬が近付いてきたぞ」───オールを上げ、前傾姿勢をとる。波に乗ったボートがもまれ始める。
「!!?」予想外のスピードでボートがつれさられ波頭にぶつかり、きりきり舞いを始める。
「今までの瀬とは違う!」───みんながそう思った。水の力とはこんなにすさまじいものなのか!? まるで木の葉のようにもみくちゃにされ、一段と高く激しい波がパーティーを直撃した・・・!
 体が浮き上がる感覚。ボートが頭上にかぶり、波がスローモーションのようにかぶさってきて・・・・・気が付くと、ねこまっくは水中でやみくもにもがいていた。濁った水の上にボートの影。水面まで2〜3mはあったろうか、必死の思いで浮上を試みる。『あと少し・・・!』───その時、またしても水中深く呑み込まれた。思わず声を上げそうになり水を飲む。息が出来ない!──────この時初めて本当に恐怖を感じた。救命胴衣も役に立たないほどの水のエネルギーに成す術も無く、どんどん押し流されるばかり。
『こんなところで死ぬんだろうか・・・!?』
もう限界だ、と思った時、ふっと体が流れから抜け、浮き上がった。視界がひらける。ひきつりながら空気をむさぼり吸う。ボート、そして3つの頭。
『助かった・・・・!』───やっとの思いでボートを岸まで運び、ぐったりと倒れ込んだ。

(※注/ボートに乗り込む前に、体育教師M隊長から「川に“沈”した時は」の指示があった。水位が低かったら川底の岩で顔を傷つけることがあるので、腕で顔と頭をガードすること、等。なので、水中に引き込まれた時もねこまっくは結構落ち着いていて、顔を腕で覆って仰向けで流されていた。そのうち息が苦しくなって、『もしやこのまま浮上できなかったら?』と不安になった途端、体が意に反してジタバタしはじめ、急浮上を試みることになる。空気がない、という状況は人間にとって恐怖なのだ)

「よかったのぉ・・・みんな・・・・・無事で───」
隊長の言葉に返事もない───。が、“もし”水位がもう少しでも低かったら? “もし”あの時浮き輪をつけていなかったら? “もし・・・・?”───どれもが起こって当たり前の“もし”。誰が死んでもおかしくない状況で、4人がほとんど無傷で生きていられた幸運をしみじみ思った。
 目の前には変わりなく川の流れ──────。
「ま、人生と同じようなもんか・・・」
今抜けてきた瀬を見つめ、つぶやいた隊長の、壮絶な過去を隊員は思った・・・。

 なにはともあれ、小浜〜水崎の5.5kmの水の旅。4時間かけて失ったもの───T隊員の右のコンタクトレンズ、帽子、スリッパ、お弁当、そして精気。得たもの───教訓「命あっての物種」───いやはや、人間なんてちっぽけだ。

(※注/この後、しょうこりもなく実は川下りは続いたのであった。さすがにYさんとT隊員は「僕らはもう・・・」とかたく辞退したが、M隊長とねこまっく隊員はもう一度チャレンジしたのだ。バカか? いや、しかし思わぬ事がわかった。乗員が2名になると、急にボートが安定したのだ。つまりは乗員4名が過重だったのですね〜)

 ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※
《おまけ・後日談》
浮上したのはねこまっくが最後のようだった。ゴムボートにつかまってゼイゼイ言ってると、T隊員が「Y!!大丈夫か?!!」と叫んでいた。お気付きとは思うが、T隊員とYさんは恋人同志。倦怠期にあった彼等だが、それから1年後無事結婚した。
「Y!!大丈夫か?!!」のT隊員のセリフに、Yさんはぐっときたのではなかろうか? 結婚式に招待され、スピーチを担当したM隊長とねこまっくは、もちろん、この川下りの名場面を再現させていただき、満場の拍手を得たのは言うまでもない。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
もういっちょ私の経験を書くと、胸までの長靴をはいて川の中に入って渓流釣りをやってたけど(意外と私は遊び人)水の力は恐いです〜っ!!さらに川の中は石ころだらけなので、足を乗せた石がゴロッと転がって、バランスを崩して川に流されたりすることもあるんですよ〜。最悪の場合、足を骨折することもあるのです。幸い私はなかったけど。。。
タカオ君
2006/11/11 03:01
いや〜、ドキドキしながら一気に読みました。全員なんとか無事で良かったですね。しかもハッピーエンドのオチまで..。
私もカミサンと二人で川下りをやってみようかな。破綻寸前の夫婦が、ヨリを戻せるかも?(あるいは責任のなすりあいで、最悪の事態に?)
カンツォーネ
2006/11/11 07:20
危ないですねぇ〜!
自然をなめてはいけません!
釣をされる方の中にも、なめてる方が多すぎます。

もしその時、ねこまっくさんが不幸にも…なら
その川べりのどこかに慰霊碑が建って
新しいうわばみ伝説が語り継がれていた事でしょう。

子供の肝を喰らう1匹の大蛇が、村へ続く川を下ってました。
それに気付いた恵夢和尚。
すぐに笹の葉で作ったような心細い舟に乗って大蛇に立ち向かいます。
弟子は片目を失いましたが、見事和尚の神通力で大蛇は川の底深くに沈んでいきました。
その後弟子は村の娘と結ばれて幸せに暮らしたとさ…メデタシ!メデタシ!

ところで「ねこまっく大丈夫か?」の声は無かったのでしょうか?
海のはなし
2006/11/11 08:13
こんにちわ!
今回こそコメントを残そうと思って来てみたらどうにもすごい話で…とにかく無事で良かったですね〜♪
海も川も怖いですよ〜。私も何度か怖い目にあってます。
それと、話は違うのですが「デスノート」読みました。半日で全巻読んだら頭がオーバーヒートしました(笑)…そしてL君がさらに好きになりました♪
ponchi37
2006/11/11 09:16
ねこまっくさん♪
その2、手に汗をにぎりました。
生きていてなによりでした。
海の話さんへ♪(ついでにすみません。)
お騒がせいたしました。
ソナチネ
2006/11/11 09:38
すごい冒険ですね。で、その後にまたボートに乗って、
川下りを続行する勇気、恐れ入りました。
私は、乗る前に逃げてます。泳ぎはプール以外では、
しない事にしていますので。
沙羅
2006/11/12 15:56
タカオ君さん、こんばんは。海も怖いけど、川もこわいですね。
私は、那賀川の上流で泳いでて、あまりの水の冷たさに足がつってまたもや溺れかけました。泳ぎには自信があったのに、すっかり自信をなくしてしまいました。
ねこまっく
2006/11/13 00:01
カンツォーネさん、ベニスのゴンドラよろしく、あるいは木曽川下りよろしく、川下りしながらカンツォーネを歌うと気持ちいいかも!
ゴムボート下りは「ラフティング」というそうです。吉野川上流ではプロのガイドさんが同乗してくれて、安全に楽しく川下りできます。「秘境・祖谷」観光とひっかけて、ぜひ奥様とおいでください。くれぐれも那賀川・命がけ川下りはなさらないように(笑)
ねこまっく
2006/11/13 00:16
「うわばみ伝説」・・・・なかなかよくできています。ってなんでやねん!!
しかし、4人のうちの1人でもケガしたり死んだりしてたら、間違いなく新聞沙汰になっていたでしょうね。
「中学校教員、夏休み、増水の危険な川で無謀なレジャー。その結末!」とかなんとか・・・。実は川下りの後、ぬれねずみで山道を歩いて帰る途中、生徒に会って、「先生ら、なんしよるん??」って怪訝な顔できかれました。翌日には村中に広まり、宴会のいいサカナになっていました。
ある意味、それも「伝説」でしょうか??(笑)
ねこまっく
2006/11/13 00:21
ponchi37さん、コメントありがとうございます。
ほんと「自然ナメてんじゃないですよ〜」デスね(ミルヒー風に)。
「デスノート」やはりL派ですか?
映画のL君、漫画から抜け出たようで、びっくりしました。
マンガのお話ができる方にお会いできてうれしいです♪
ねこまっく
2006/11/13 00:26
ソナチネさん、こんばんは。
大好きな音楽できるのも、おいしいものが食べられるのも、命あってのものですからね。
自分の過去の文章を読みなおしてみて、おバカぶりにあきれたり・・・。
ねこまっく
2006/11/13 00:28
沙羅さん、こんばんは。
>その後にまたボートに乗って川下りを続行する勇気
いえいえ、世間はそれを「勇気」とは言いません。ただの「バカ」、あるいは「無謀」、あるいは「命知らず」と呼びます。
我ながら、よく無事だったよな、と。
ねこまっく
2006/11/13 00:31
水をなめてはいけません・・・
川とか海ならまだしも,
私はプールで
シュノーケリングの水抜きの練習中(しかも一人で)
溺れかけましたよ・・・
人間,空気がなかったらパニックになる,
すっごくわかります!

じゅんじゅん
2006/11/13 20:20
【水をなめてはいけません…
川とか海ならまだしも】

のだめちゃん!
いやいや、じゅんじゅんさ〜ん!その通りで〜す♪
川とか海な〜ら!なめていいんですよね〜?
海(のはなし)が、今度徳島へ行た時は〜♪
ホッペをきれいにして行きますので、ホッペにチュッ(なめて?)としてくださ〜い♪

ナニ!ねこまっくさん?『勝手に文節を切って解釈しないように!』って…?笑

海のはなし、5巻目ゲットです!
まだ登場してこない…涙
ウミノ・ホルスタイン
2006/11/14 08:04

コメントする help

ニックネーム
本 文
お蔵出し 「水崎めぐり その2」 ねこまっくの日誌/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる