ねこまっくの日誌

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zoom RSS お蔵出し 「水崎めぐり その1」

<<   作成日時 : 2006/11/08 23:51   >>

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 お蔵出し第1回は、ねこまっく教師時代の体験談です。
大学を卒業して2年目、正教員として那賀川上流の中学校に赴任しました。
全校生徒33人の小さな学校。教師団も生徒も保護者も仲良く、まるで家族のようなつきあいをしました。ここで過ごした3年間で、ねこまっくはたくさんの貴重な体験をさせてもらいました。
 そのうちのひとつが、「水崎(みさき)めぐり」。水崎というのは地名で、「水崎めぐり」というのは、本来はそこに設置されたミニ八十八ケ所巡りのことを言います。
以下に紹介するのは、徳島大学同窓会会報用に書いた原稿です。教育実践記録やマジメな原稿ばかりの中で、こんなバカな話をふざけた文体で書いたのが目立ったのか、掲載後には見知らぬ人からお手紙や電話をいただいたりしました。
「岬めぐり」という歌と「水崎めぐり」をもじってタイトルをつけたんだろうと思いますが、ま、タイトルにあんまり意味はないですね。今から読むと、整理されていない文章ですが、若いなりの勢いがあるなと思うので、訂正を入れずにそのまま掲載します。


水崎(みさき)めぐり

「ボートで川、下らんかぁ?」
「面白そうですねぇーー」
そうしていつものメンバーである。歳はとっても何故か一番若いM隊長(体育教師)を筆頭に、アウトドアの苦手なT隊員(理科教師)、そしてとにかく何でもやってみたいねこまっく隊員(音楽教師)───気がつけば昨年度宮浜中学校3年団。チームワークも抜群(のはず)。何をたくらんでいるかというと、那賀川をゴムボートで下ろうというのである。
「考えただけでワクワクするなァ」───甘い考えの隊員に、M隊長、いささか不安そうである。T隊員の友人で全くのカナヅチのYさんも加わり、総勢4人のパーティーで川下りに挑むこととなった。
(※注/那賀川は「阿波八郎」と称され、変化に富んだ景観の美しさと、流れの激しさで有名。中流はカヌーの公式コースに認定されている)
(※注/ねこまっくが川をなめてかかっていた証拠に、ねこまっくはボートの上で食べようとみんなにサンドイッチを作って持ち込んでいた。一体何を考えていたのだろう?)


※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※

 8月26日、晴れ。台風の余波の雨で、川は適度の増水(と思った)。草をかきわけ川へ降りていくと、そこに河川敷はなく、かわりに凶暴な光をたたえた黄土色の水がゴーゴーと音立てて渦巻いている。
「・・・・・・・・・。」
声を無くし、Y隊員はおもむろに浮き輪を装着し、ねこまっく隊員は「そんなもの要りませんよ〜(※注/ねこまっくは水泳が得意)」と一旦は放った救命胴衣をこそこそと身に付けた。『大袈裟な』とも思ったが、後にこれが自分達の命を救うことになるとは、この時は知るよしもなかった。

「まぁ、行ってみるか」───隊長を先頭に、ねこまっく、Y、T隊員の順にボートに乗り込む。きゅうきゅう詰めで
「すみません、足ここに入れていいですか?」
「浮き輪、じゃま!前見えん」
「あれ〜、ボート回んよる。どこに行っきょん!?」
なんだかもう初めからえらい騒ぎである。そしてまだ意志の統一もはかれていないパーティーに、早くも第一の難関が迫ってきたのである!
「ぎゃあ〜!!!!」
波の容赦ない攻撃に頭からつま先までびっしょり・・・。しかし、そんな事に気をとられている場合ではない。声にならない声をあげながらやっとこさ瀬を抜け、ボートが梶を取り戻すと、一同大きなため息をついた。
「みんな落ちとれへんか?4人おるかぁ?」
ボートの中は水びたし。手でわっせわっせと水をかき出す。
『こんなはずではなかった』と言いたげにYさんのお下げ髪が揺れる。一同濡れねずみ・・・。

しかし、喉元過ぎれば・・・で、梶もうまくとれるようになり、ボートが調子よく流れ始めると
「気持ちいいなぁ。もっとスピード出そう」
と都合のいいことを言い出す。上から見ていたばかりの谷を水の高さから見るとまた新鮮で、風の心地良さや緑の美しさに、4人すっかり気をよくしていた。

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お蔵出し7 〜雪の夜〜
しんしんと冷えています。 こんな夜は、あの話をしましょう。 ...続きを見る
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2007/01/25 01:45

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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
若い頃はみんな冒険するんですね〜。私は自転車旅行をしてました。パンク修理その他の修理も自分でやりました。道に迷って途方にくれたこともありました。雷雨で足止めをくらい、到着時刻が大幅に遅れたこともありました。
タカオ君
2006/11/09 02:32
タカオ君さんも無茶してたんですね(笑)
「♪知〜らな〜い街を歩いてみた〜い、ど〜こか遠〜くへ行〜きた〜い」とか「♪いい日旅立ち〜」とか歌いながら、リュックを背負い、ペダルを漕いでいたのでしょうか?
またその話もアップしてください。

ねこまっくは上記記事の宮浜中勤務時代に、何度か命の危険を感じました。「その2」に続く・・・
ねこまっく
2006/11/09 13:58
「お蔵出し」のタイトルを見たとき、酒ネタかな、と思いましたよ。
これからいよいよ佳境に入るのですね。次回を楽しみにしています。
カンツォーネ
2006/11/09 21:24
笑・そうですね、ボジョレー、冷やおろし・・・酒のおいしい季節ですからね。
来週は久しぶりにうわばみ三人娘(?)が「可夢庵」に飲みに行くんですよ。「女性だけのグループ2割引月間」なんです。ああ、楽しみ!
ねこまっく
2006/11/09 22:55
若い頃はみんな冒険するんですね。
ねこまっくさんが生きていて良かった・・・(^_-)-☆
PSメール見ておいてください。宜しくお願いします。
ソナチネ
2006/11/09 23:58
ねこまっくさん
海のはなしさんにお世話になりました。
ねこまっくさんのメルアドを消してくれました。
迷惑メールなかったですか〜
ブログのメールに送ってます。
受信してください。
海のはなしさんに宜しくお伝え下さい。
ソナチネ
2006/11/10 19:06
ねこまっくさん
メルアドの書いてあるコメントは削除してます。
ご迷惑かけて申し訳ありません。
いたずらメール等なかったですか〜
今後は気をつけます。
ソナチネ
2006/11/10 19:13
ソナチネさん、すみませんでした。
私が不注意でした。ブログの機能もいろいろあるんですね。・・・いっぱいありすぎて分かんない私です。
さて、いよいよ「その2」ではこの冒険のクライマックスです。お楽しみに!
ねこまっく
2006/11/10 21:45
「命の危険」というほどの大冒険だったのですね。
でも、川をボートで下るのは、気持ちが良さそうです。
安全な静かな川を下ってみたいです。
続き、楽しみに待ってます。(^o^)
沙羅
2006/11/10 21:58
沙羅さん、こんばんは。週末はお忙しそうですね。
「その2」をアップしました。ねこまっく大ピーンチ!

ゴムボートはあれ以来、乗っていません。でも、吉野川でカヌーに何度か乗りました。水面が近くで、風が吹いて、とっても気持ちいいんですよ。よほどのことがないとひっくり返ることもないので、安心です。おすすめです〜♪
ねこまっく
2006/11/10 22:04

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