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zoom RSS 『一瞬の夏』その後

<<   作成日時 : 2005/09/15 23:14   >>

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昨夜11時頃だったと思う。
テレビのチャンネルを適当に変えていて
ふと手を止めた。
画面にリングが写っている。
ボクシングの試合にしては・・・と見ている間に画面が移って
ラフな服装で、流暢な日本語を話す黒人が
小学生の前でしゃべり始めた。
ああ、例の“課外授業(ようこそ、先輩だったっけ?)”だな、と思った。
そして、彼はもしや、という予感。
・・・しばらく見ていると、やはりそうだった。

カシアス内藤。
アメリカ人と日本人とのハーフで、
天才的な素質を、名トレーナー、エディ・タウンゼントに見い出されながら
ついに大成することのなかったボクサー。
ノンフィクションライター・沢木耕太郎の『一瞬の夏』に描かれたことで
有名な、非運のボクサーだ。

10代の頃、朝日新聞に連載されていた『一瞬の夏』を読んだのが
カシアス内藤との出会いだった。
何者かになりたいと強く願って、でも決してなりえない者達・・・と、
そんなふうに表現されていたカシアス内藤と、
筆者の沢木耕太郎に、ひかれた。
今から思えば、こんな職業についているのも
沢木さんの影響があるのかもしれない。まったく手法は違うけど。

カシアス内藤はずっと知っていたのに
リアルな映像や、写真さえも見たことがなかった。
初めて出会ったカシアス内藤は、「ボクシングトレーナー」という肩書きだった。
『一瞬の夏』の後、引退。その後、復帰したという情報は知っていたのだが、
放送によると癌と闘病して、現在はトレーナーとして後進の指導にあたっているらしい。
ひきしまった浅黒い体、頭の良さとやさしさがにじみ出る話し方は
『一瞬の夏』から想像していた通りだった。

授業は、子供達に将来の夢を見つめさせ、
それをリングの上で発表させるというものだった。
カシアス内藤が子供のパンチをミットで受け、
子供達は、それぞれの夢を叫び、「今日から○○○をする!」という所信表明をする。
いい表情だった。
おそらくカシアス内藤が、放送の前半部分で子供達に語った事が
子供達の心を揺り動かしたのだろう。見たかったなあ・・・。

それにしても、だ。
『一瞬の夏』『敗れざる者たち』などで、沢木氏に描かれたカシアス内藤は
チャンピオンになる素質を持ちながら決してなれない者、というヒリヒリした切実さ、刹那さが印象的だった。
その刹那さ、強烈な乾きを抱いて、彼は今も生きているのだろうか、と
カシアス内藤を思い出す時、私はいつもちょっとやりきれない思いになったものだ。
だが、テレビで見る彼は、きちんと今を生きているように見えた。
ボクシングから逃げずに、そこに居場所を見つけているのがうれしかった。

人は変われるのかもしれない。一瞬の夏
一瞬の夏

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
番宣は時々見てましたが、身内を癌で亡くした事もあり、思い出すと辛いので今回は見てませんでした。
本も読んでません…といっても、その本の存在を知らなかっただけなんですが・笑
タイトル名の『一瞬の夏』だけにこだわれば…大学の夏が1番強く残ってます。
1番エネルギッシュに、時間に縛られることも無く思うままに一日を過ごし、その時できた友達とは今も交流があって…母も元気だった。
あの夏はもう帰らない…何かの歌のフレーズみたい!笑

さて、音楽の方は順調ですか?
海のはなし
2005/09/16 08:06
『一瞬の夏』って、すごくまぶしくて切ない、いい題名だと思いません?
たしか、その題名にひかれて、新聞連載を読み始めたんですよね。
大学生くらいまでの夏って
今振り返ってみても、まぶしいですね。
私は音楽に夢中の日々でしたが、
海のはなしさんは、釣り三昧でしたか?(笑)

過ぎ去った今となっては、まさに“一瞬の夏”。
今の1年1年も大切なことに変わりはないですけどね。
カシアス内藤さんの闘病は、うちも他人事ではなく
ちょっと身につまされました。
夏を積み重ねられる幸せを思いつつ、
飛び交う赤トンポを眺めています。
ねこまっく
2005/09/18 08:17

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